第3回食散歩 ゆるり土佐時間 -高知県東部(安芸・奈半利・馬路)ツアーレポート

【1日目】2011年10月15日(土)

◎8:00(8:00)高知市出発
*()括弧内の時刻は、予定表の目安時間。括弧外は実際に訪れた時間。

土佐御苑集合。荷物を車に積み込み出発。
(大野倶楽部で宿泊する際に料金が安くなるため布団を持参)

◎9:20(9:00)琴ヶ浜・かっぱ市


かっぱ市の側を流れる和食川のほとりかっぱ公園には、訪れた人々に手を振る姿のカッパ像がある。

かっぱ市では、地元の新鮮な農産物・海産物、味噌などの加工食品・お惣菜・手芸品などが販売される。

この場所では、鶏肉ハンバーグと野菜・キウイをピーマン味噌で味付けしたご当地バーガー、「かっぱバーガー」を楽しむこともできる。また「かっぱバーガー」の味付けにも使用されている、ピーマンを米麹で発酵させたピーマン味噌も販売されている。
(取材当時)

*琴ヶ浜野外劇場駐車場東側には龍馬の妻・お龍とその妹・君枝の「姉妹像」がある。

◎9:50(9:30)安芸・野良時計


ボランティアガイドさんと合流。

野良時計は、明治20年に地主 畠中源馬氏が好奇心から独学でつくりあげたもの。
歯車から分銅にいたるまで、一人で製作したというのが驚きである。
当時、周囲で農作業を営む人々が時刻を知るのに役立ったそうである。
時計の針は3面にあり、見やすい方向の針を動かしていた。
明治時代20年代に生まれて以来、120年に渡り時を刻んできたが、現在は動いていない。
(イベント時などに動かすことはあるらしい)
木製であるため、湿気などの気候の変化により誤差が生じたりもするという弱点がある。

*隣に食事ができる「高園茶屋(こうえんちゃや)」がある。

*安芸市では童謡の里作りをすすめており、安芸市出身の作曲家 弘田龍太郎 氏(1892-1952)の曲碑が全10カ所に設置されている。近くの駐車場には「鯉のぼり」曲碑が有り、設置されているボタンを押すと、曲を聴く事が可能。

◎10:00 土居廊中
土居廓中は330年ほど前、山内家の家老である5代目五藤正範が安芸城の周辺を整え、誕生した。
もとは武士だけが住んでおり、敵の襲撃を防ぐ為の工夫が随所に見受けられる。

[土居廊中の見所]

■10:00 土居小学校

瓦の産地であるためか、漆喰と瓦を使用した塀でかこまれている。
■10:05 しかられて曲碑

石碑の子供の絵は、高知出身の漫画家「はらたいら」氏によるもの。
■10:10 長屋門

一棟の中に門を開いた作りになっている長屋。
武家・裕福な農家・庄屋などの家屋敷に見られる建築である。
■10:17 野村家

一般公開されている最も古い武家屋敷。1830年頃に作られた。現在の管理は子孫の方が行っている。
狭いつくりの玄関や、敷地内に門が設けられていたり(塀重門)と、いざという時に備えた作りになっている。

瓦を積み重ねた塀は「錬り塀」といい、大半は幕末から近代中期にわたって作られたもの。
野村家前の路地などで見られる美しい土用竹の生け垣は、武士だけに作る事がゆるされ、万が一の場合、弓矢として使用するという目的もあった。

◎10:35 廊中ふるさと館・しゃーべっと茶屋

廊中ふるさと館では、地元のお母さん達が作るおいしいごはんを食べることが出来る。
野菜・果物・加工食品・花などの地元特産品の販売も行っている。

しゃーべっと茶屋では地元の野菜(ゆず・なすなど)を使った手作りアイスクリーム・シャーベットを食べることが出来る。

◎10:30 安芸城跡・歴史民俗資料館(書道美術館 隣接)

戦国時代に安芸氏、江戸時代には土佐藩家老五藤家の居城であった安芸城。

その跡地に建つ歴史民俗資料館には(上写真/敷地内には五藤家の屋敷も現存する)、郷土ゆかりの民具や文化財・五藤家文書のような歴史的遺品・美術工芸品・武具などが収蔵されている。
また、安芸市出身の岩崎弥太郎、黒岩涙香、弘田龍太郎達に関する資料も展示している。

書道美術館は昭和57年に開館した全国初の公立書道専門の美術館として誕生した、館内では安芸出身の書道家 川谷横雲・尚亭兄弟や手島右卿、そのほか近代書道大家の作品を楽しむことができる。

◎10:50   弥太郎生家

のどかな田園風景の中に、岩崎弥太郎が少年時代を過ごした生家はある。
30坪程の土地に、平屋でかやぶき、4畳半の部屋が3つと8畳ほどの部屋が1つからなる小さな家。
庭には弥太郎が幼い頃に作ったといわれる石でできた「日本列島」がある。

蔵には三菱のロゴマークのもととなった、三階菱の家紋が描かれている。

生家のすぐ前に、「まる弥カフェ」があり、フルーツを使ったソーダや・コーヒーを飲む事ができる。
お土産物コーナーでは、郷土の食材をつかった加工品の他、弥太郎の弟・弥之助が創業に強く関わった小岩井農場の製品も販売されている。一番人気は「弥太郎くんまんじゅう」。お土産を買うと、先着で新聞エコバックがもらえるらしい。
(取材当時)

◎11:20(11:00〜11:30) 閑慶院


新四国まんだら霊場60番札所。岩崎家は代々このお寺の檀家総代。
本堂は弥太郎の母 美和の意志と、弥太郎17回忌の追善供養として寄進された建立資金を元に建造された。

欄間・瓦などに、岩崎家の家紋、三階菱が見受けられる。

住職の奥さんはとても気さくで、お話好きである。
住職に東部地区の観光についての話を聞く。弥太郎ゆかりの土地ということで、キリンビールの社長さんや、三菱関係者の方々が尋ねてこられたこともあるそう。



*門前には、前の鐘楼に据えられていた岩崎家家紋入りの鬼瓦、中村雨紅作曲の童謡「夕やけこやけ」の曲碑、足利時代から存在する樹齢600年の椋(むく)の樹がある。

◎12:10 江の川上公園・岩崎弥太郎像


弥太郎生誕150周年を記念してたてられた銅像。
安芸市役所・安芸市商工会議所などが中心となって募金をつのり建立した。
作者は檮原町の「維新の門」を作った浜田浩造氏である。

台座の周りにはグラバー邸などの風景が版画のようなタッチで描かれている。


*園内には安芸市出身の書家の書碑が設置されている。
公園前には、弘田竜太郎 作曲「金魚の昼寝」の曲碑がある。

◎12:25(12:30) 豊穣祭 安芸会場

お昼ご飯は、釜あげちりめん丼や、かっぱバーガー、米粉カレーパン・にら塩焼きそばなど、高知県東部のご当地グルメを堪能。

徳島からの出店もあり、阿波踊りの演舞も堪能することができました。

◎13:50 妙見山・星神社


標高448mの妙見山(みょうけんやま)の山頂付近にある星神社にまつられているのは商売繁盛の神様。
この神社には岩崎弥太郎が江戸に旅立つ前日、参拝したと伝えられている。弥太郎が書き記した「吾れ、志を得ずんば、再び此の山に登らず」という言葉は、神社が一度は焼失したために見る事ができないが、下町の空海とよばれる石坂氏が龍馬伝放送前に門扉に同じ言葉を書き記している。
毎年元旦には井口小学校が登山を開催をしており、神社の壁面には沢山の参加者の名が書かれた木板が奉納されている。

◎15:30(14:40) 畑山温泉・憩の家


安芸市から北へ向かい、山間を車で行く事40分、畑山温泉に到着。

温泉につかり、ゆっくりと旅の疲れを癒す。
泉質は、良質のアルカリ鉱泉。

畑山では、地域性を活かし平成元年から土佐ジローの飼育に取り組んでいる。
土佐ジローとは土佐地鶏とロードアイランドレッドとをかけあわせた一代種。
大自然の中で育てられたその肉は、かめばかむほど旨味が楽しめる。
夜のバーベキュー用に土佐ジローの肉を購入する。
*土佐ジロー雄若鶏肉 地方発送も可能(取材当時)

◎17:45(17:30) 大野倶楽部


大野台地は太平洋を一望できる海岸段丘の台地で、約100名ほどの住民が暮らしている。
台地ののどかな田園風景の中にある、集会所「大野倶楽部」で一泊。

室内は木をつかった温かみのある立派なたてもの。
キッチン・バス・トイレ等の設備も充実している。
http://oonodaichi.blog129.fc2.com/

夜はバーベキュー。
食材は近所のスーパーマーケットで調達。
畑山温泉で購入した土佐ジローの肉は、かめばかむほど旨味がでると大好評。


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