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「さばのゆ」を語る時、切っても切り離せないのが「きぼうのかんづめ」のお話。
経堂北口の外食店の一部では、2009年頃からサバ缶を使ったメニューを提供し、「サバ缶の町」として話題になっていたそう。中でも木の屋の金華サバ缶は、その味に心底惚れ込んだ店主やお客さんが多かったとか。しかし、宮城県石巻市にある木の屋石巻水産の東日本大震災のときに、大津波で流されてしまいます。
そこで経堂の人々が立ち上がり、毎週、経堂と石巻を往復する車を手配し、ボランティアの人々が往復されました。
東京に持ち帰った缶詰は、重油や海水が混じり合ったヘドロにまみれていたけれど、試行錯誤して作った洗剤で洗いあげ、また「なるべく匂いが発散しないように」と周囲に気を配りながら、「さばのゆ」を中心に洗浄を行ったそう。 また、原材料名、販売者名などが書いていた紙巻きだったラベルは剥がれ落ちており、商品として売ることは出来ないということで、「復興義援金をいただければ、この缶詰を差し上げます」こういう形をとっての販売をしたとのこと。缶詰を洗ったボランティアの延べ人数、およそ4,000人にもなるそう。
この運動は、やがて「希望の缶詰」と呼ばれて、須田さんが企画、文章を担当して「きぼうのかんづめ」という絵本にもなっています。売り上げは木の屋さんの復興に充てるとともに(木の屋さんは2013年1月に新工場が再建)、また絵本の中で震災の記憶も語り継がれています。(amazonなどで発売中) |
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そんな須田さんは、食に対しての知識も豊富で、かなりの食通でもあります。昔、高知の食の話を知り合いから聞き、すぐに来高、ディープな飲み屋街で酒と料理に舌鼓を打ったこともあるそう。
経堂と高知のコラボによる企画が実現した「高知にいこうち」では、高知産食材を使った高知メニューが経堂のいろいろな店舗で提供されたほか、メイン会場となった「さばのゆ」では、オープニングおきゃくを皮切りに、高知関連イベントが連日開催されました。
取材でおじゃました日もニンニク葉(葉ニンニク)やその加工食品の「ぬた」が届いたばかりで「これは何につけて食べるの?」と興味津々でした。 |
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(左上写真)高知にいこうちフェスティバル2のフライヤー。「さばのゆ」では夜毎、常連さんやいろいろな人が集まり、食の他に寄席や音楽イベントを楽しんでいる。 |
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毎週末の土日は、18時頃から「経堂混浴湯」なる経堂ピープルがゆるく知り合い、ゆるく広がる気軽な食べ放題の1,000円バイキング付きのパーティなども開催されている。須田さんいわく「”ゆるい”とは、いろんな物事や人間関係が美味しいお酒のように熟成して、ええ感じの旨味を増すのに必要な絶妙のスピードのこと」。 |

取材をきっかけに須田さんからのご提案で、「高知にいこうち!3」を経堂と “土佐の「おきゃく」"とのコラボで開催!ということになり、2月23日には「大衆食堂の詩人」とも呼ばれているという遠藤哲夫さんとのトークイベントも開催されることになりました。高知から「お座敷遊び」をひっさげて?えいにゃあ!スタッフも楽しくトークイベントに参加したいと思います。またいろいろな高知×経堂のメニューも取材予定。さてさて、どんなお話が飛びだすか?は次号の「えいにゃあ!vol.3」にて。
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【さばのゆ】
場所:世田谷区経堂2-6-6 plumbox V 1階
TEL:03-579 96138
■最寄りの交通
小田急小田原線 経堂駅 徒歩3分
■休日・営業時間
定休日 なし 18:00~深夜まで
関連ウェブ
・地域・個人店の応援サイト
「経堂系ドットコム」
http://www.kyodo-kei.com/
・株式会社スローコメディ広告社
http://www.slowcomedy.tv/
・[直営ライブ・カフェ]
お湯かふぇ「さばのゆ@経堂」
~slow community factory~
http://sabanoyu.oyucafe.net/
・さばのゆ温泉
http://sabaonsen.exblog.jp/ |